これから理学療法士を目指す人にとって、理学療法士の年収は気になると思います。
社会人になり、仕事をするにあたって、やりがいや勤務形態が気になる一方、もっとも関心が高いのは年収になるのではないでしょうか?
実際に、理学療法士の平均年収や初任給を調べてみました。
また、それぞれ他医療職との比較も行っています。
※以下のデータは賃金構造基本統計調査から引用しています。
理学療法士の平均年収
理学療法士の平均年収を過去10年調べてみました。
最新のデータは令和3年のものになります。
令和3年理学療法士の平均年収は、420.06万円となります。
また、理学療法士の平均年収は、ここ10年で比較すると+6.5%上昇しています。
これは理学療法士の平均年齢が平成24年は31.2歳だったのが、令和3年には35.1歳となっていることが要因として考えられます。
統計上でも経験年数が長いほど年収が高くなる傾向があるため、この10年間における理学療法士の平均年齢の上昇は、平均年収を押し上げる結果になっています。
つぎに、理学療法士と他医療職との年収を比較します。
理学療法士と他医療職との年収比較
それぞれの医療職の令和3年の平均年収を降順で並べました。
医師の平均年収は、1354.7万円。
薬剤師の平均年収は、580.54万円。
診療放射線技師の平均年収は、546.67万円。
看護師の平均年収は、498.62万円。
臨床検査技師の平均年収は、496.46万円。
このことからも、理学療法士の平均年収は他医療職と比較しても低いということがわかります。
この要因としては、理学療法士の平均年齢が他医療職と比較し低いことから、経験年数の平均が低いため平均年収が低くなってしまっているということが考えられます。
ちなみに、日本人の平均年収を調べたところ、令和2年までのデータしかありませんでしたが、国税庁が民間給与の実態調査を行っていました。
令和2年の日本人の平均年収は、433万となっています。
- 理学療法士の平均年収は他医療職と比較して低い。
- また、日本人全体の平均年収と比較しても低い。
平均年収は他医療職と比較しても、あまり高くないということがわかりました。
では、理学療法士の初任給はどの程度なのでしょうか?
理学療法士の初任給
令和3年の理学療法士の初任給の平均は、23.43万円となっています。
これは平成24年と比較すると、-1.3%とわずかに減少してしまっています。
平均年収が+6.5%と上がっている一方で、初任給が下がってしまっているということからも、平均年収の上昇は経験年数の長い理学療法士が増えたことが要因であると考えることができます。
他医療職の令和3年の初任給の平均を見てみると、
医師は、47.22万円。
薬剤師は、30.86万円。
看護師は、24.98万円。
診療放射線技師は、24.57万円。
臨床検査技師は、22.49万円。
このようになっており、理学療法士は臨床検査技師より約1万円ほど高くなっていますが、他医療職と比較すると低くなっていることがわかります。
まとめ
理学療法士の平均年収や初任給、他医療職との比較を行ってきました。
- 理学療法士の平均年収は令和3年で、420.06万円。
- これは他医療職と比較しても低い。
- 理学療法士の初任給の平均は、令和3年で23.43万円。
- 臨床検査技師よりは約1万円高いものの、平均年収と同様に他医療職と比較しても低い。
このように、理学療法士は他の医療職と比較すると年収や初任給が低い傾向があるようです。
要因としては平均年齢が他医療職と比較し若いということが考えられます。
また、近年理学療法士の有資格者が増えていることから、需給バランスが崩れつつあることも要因となっているのではないでしょうか?
理学療法士の将来性について、需給バランスの点から書いた記事もありますので、ぜひご一読ください。
今回の記事が、理学療法士を目指す方の参考になれば幸いです。