これから理学療法士を目指す人にとって、理学療法士が実際どのような仕事をしているか気になると思います。
本やインターネットの情報を参考にしても、実際に理学療法士を見たことがない人にとって、想像しにくいものではないでしょうか?
わたしが理学療法士になろうと決め、いろいろな情報を調べたときにも、なかなか仕事内容がイメージできませんでした。
このページでは、わたしの経験を元に理学療法士の仕事内容について紹介していきます。
また、理学療法士以外の医療職を検討されている方もいると思います。
後半には、ほかの医療職との比較ものせてありますので、ぜひご覧ください。
1理学療法士の仕事の定義
理学療法士の仕事内容については、昭和40年に公布された理学療法士および作業療法士法の中に記載があります。
第二条 この法律で「理学療法」とは、身体に障害のある者に対し、主としてその
○理学療法士及び作業療法士法(昭和四十年六月二十九日法律第百三十七号)
基本的動作能力の回復を図るため、治療体操その他の運動を行なわせ、及び電気刺
激、マツサージ、温熱その他の物理的手段を加えることをいう。
これを読んでも、具体的な理学療法士の仕事内容がわからないと思います。
そこで、理学療法士が誰にどんなことをしているのか、簡単に図にまとめてみようと思います。
2理学療法士の仕事内容
理学療法士の仕事は「病気やケガなどにより、元の生活を送るのが困難になった人」を対象にしています。
(実際には、小児など生まれながらに障がいを持っている人も対象になります)
「病気やケガなどにより、元の生活を送るのが困難になった人」は
・痛みがある
➡痛みの緩和をする
・動かなくなり関節が硬くなる
➡硬くなった関節を動かす
・動かなくなり、筋力が落ちる
➡弱った筋力を強化する
・起き上がる、歩くなどの動作ができなくなる
➡動作の練習をする
・自宅での生活が困難になる
➡自宅での生活が送りやすくなるよう環境を整備する
・自宅での動きが困難になる
➡生活動作の指導をする
おおまかな内容になりますが、これが理学療法士の仕事内容となります。
細かい内容については、今後記事にしていきたいと思います。
次にほかの医療職と理学療法士の比較をします。
3理学療法士と他職種との比較
3-1医師
医師は、診察・治療・処方を行い、患者の治療方針を決める重要な仕事をしています。
以下で示す看護師や理学作業療法士、その他医療職も含め、医師の指示がないことを患者に実施してはいけません。
オーケストラでいうと、指揮者のような役割をしています。
その一方で、医者の人数がいまだ不足していることなどから、多くの患者を診察・治療・処方しなければなりません。
そのため、看護師や理学作業療法士と比較すると、一人ひとりの患者とのかかわりが少なくなってしまう傾向にあります。
3-2看護師
看護師は、医師の診察の補助や患者の看護を行い、患者の生活の質を維持、向上させる仕事をしています。
医師に一番近く、患者に一番近いところが看護師の仕事場所になります。
そのため、理学療法士を含め、他の医療職と比較し、最も患者と関わる場所にいます。
理学療法士との大きな違いは、看護師は医療行為が行えるということです。
3-3作業療法士
作業療法士は、理学療法士が基本的な動作を対象にするのに対し、応用的な動作を対象とした治療を行います。
病院によっては、上半身(首、肩、肘、手)の治療を作業療法士が、下半身(腰、股関節、膝、足)の治療を理学療法士が担当するなど、部位により担当するセラピストが変わることがあります。
小規模なクリニックなどでは作業療法士がいないところもあるため、その場合は理学療法士が上半身の部位を担当します。
3-4柔道整復師
柔道整復師は、整復の名前の通り、脱臼や捻挫などの状態から関節を整復し、回復を図ることを目的とした施術を行っています。
個人的には理学療法士とよく似ていると考えていますが、大きな違いは
1 東洋医学の勉強をすること
2 開業権を持っていること
この2点だと思います。
また、上記2点の特徴から、併せてはり・きゅうの資格を取る方も多いようです。
4まとめ
理学療法士の仕事内容について、またほかの医療職との比較をここまで書いてきました。
- 理学療法士は「病気やケガなどにより、元の生活を送るのが困難になった人」を対象とする。
- 痛みを緩和する。
- 硬くなった関節を動かす。
- 弱った筋力を強化する。
- 動作の練習をする。
- 自宅での生活が送りやすくなるよう環境を整備する。
- 生活動作の指導をする。
- 医師は理学療法士に治療方針を指示するなど重要な役割を担う。
- 看護師は医療行為を行うことができる。
- 作業療法士は応用動作や上半身の治療を行う。
- 柔道整復師は東洋医学を勉強し、開業権がある。
仕事内容の細かい点については、また別記事に載せたいと思います。
理学療法士を目指す人にとってこの記事が参考になれば幸いです。